路地裏で血だらけになっていた男をほっとけなくて助けた次の朝、いつの間にか出ていっていたはずの男が高級車をアパートの前に乗り付けて「ん、小鳥、準備はできたのか?では行こうか」と彼氏みたいなことを言ってくる刷り込み型ヤンデレヤクザ組長山鳥毛となし崩しに流される女子高生のちょもさに。
「ああ小鳥、学校は終わったか?では帰ろうか」
「いやいやいや。その車目立つしそもそも送られる筋合いがないので来ないでくださいって言いましたよね」
「む、この車は目立つのか。では次からは改めよう」
「次はないです」
「一度拾った生き物には責任を持つべきだ。そうだろう?小鳥」
「ヒェ…」
「小鳥、おはよう。よく眠れたか?」
「ついに家の中まで侵入してきやがった…」
「朝食は作っておいた。今日は蓮根のキッシュに牛蒡のポタージュ、大根のサラダだ」
「謎の根菜推し。そして勝手に台所使わないでください」
「ほら、寝癖がついているぞ。…ふふ、小鳥は髪もお転婆だな」
「ヒエ…」
「今の男は誰だ?小鳥」
「普通に同期ですが。そして学校に来るなと何度も」
「大丈夫だ、今日は軽で来た」
「いや貴方自身が死ぬほど目立つので来ないでください。援交を教師に疑われたんですよ」
「ふむ…援交…」
「興味を持つな」
「で?誤魔化されてはやらないわけだが」
「ですから、」
「こんな風に、…腕を絡めていたように見えたが?」
「ふざけてそれくらいするでしょう。というか貴方になにか言われる筋合いはありません」
「小鳥、…あまりにお転婆だと」
「…っ?」
「鳥籠に閉じ込めてしまうぞ」
「ヒェ……」
「男を無闇に近づけるなよ。…年甲斐もなく、妬いてしまうのでな」
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